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平 祥子から見た戦争準備「その知らせは突然に」篇

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戦争準備SS 「平 祥子から見た 戦争準備」 その知らせは突然に篇


 その日、リワマヒ藩国ではいつものように藩国会議室、通称「おこたの間」にて
コタツ会議が開かれていた。
参加者は藩王である室賀健一伯爵、華族の蒼燐、そして国民の平祥子、イド、薊、シコウの4人。

同じく国民のうにはこの日職務のために欠席していた。

いつもであれば集まった者たちはコタツを中心にしておしゃべりをしていて
のほほんとした空気が流れているのだが、
その日はいつもと違って重苦しい空気が流れており、
そのおかげかいつもとは逆に会議は順調に進んだ。


イド「冒険に関する報告書、完成しました。」

兼一王「ご苦労様!
    (軽く読んでみて)おお、いい出来じゃないですか」
イド「ありがとうございます。」
心なしか藩王の顔が青ざめていた気がする。気のせいだろうか。

 決められていた職務についての報告がすべて終了したあと、
藩王は言いにくそうに口を開いた。

兼一王「今日の会議の議題だが…………戦争が始まることになった。」

戦争と聞いて場の緊張感が高まる。

兼一王「キノウツン王国のパイロットが救助のために冒険に出た先で、
    敵を発見したそうだ。
    敵は大型の要塞艦。しかも、
    我々の保有するすべての電子偵察装置を欺く機能を持っているらしい」


蒼燐「敵が以前共和国を襲ったやつらと同一かどうかは今のところ不明です。
  敵の現在の動向ですが、
  敵はその能力を持って我々の監視をかいくぐりながら
  ある方向に直進しているとのこと。
  この事態に対して共和国尚書省は戦時動員を、開始しています」

兼一王「すみません。私はみなに殺し合いさせるために建国したんじゃないんですが……」

 申し訳なさそうにする兼一王と蒼燐を励ますかのように、国民たちは笑って応えた。

イド「やってやりましょう、藩王!」
シコウ「元気出してください~。私もがんばります~」
薊「猫をいじめるやつがどんな目にあうか思い知らせてやろう。」
平「ちょっとぐらいの怪我なら私が治療しますからへっちゃらですよ。」

 早くもガンパレードモードに突入する国民たち。
もし戦争で士気が高いほうが勝つならば、
今この瞬間はリワマヒに敵はないといってもいいだろう。

盛り上がる国民たちを見て兼一王はますます言いづらそうな顔をする。
しかし黙っているわけにもいかなかった。

兼一王「みなさん、聞いてください」

 不思議そうな顔をして兼一王に注目する国民。
注目されてさらに言いづらそうになった兼一王を見て代わりに蒼燐が言葉をつないだ。

蒼燐「あー……先ほどの続きです。
   戦時動員を開始するにあたり、共和国尚書省は
   この世界に向いたI=Dの設計をもとめるとともに、
   各藩国から莫大な戦費調達を開始しました。

兼一王 「その額10億にゃんにゃん」

 一瞬で固まった国民たち。

蒼燐は言葉を続ける。

蒼燐「さらに戦争投入するための燃料を10万t。
   10日23時までに共和国尚書省に提出せよとのことです。
   ……その、みんな聞いてる?」

 先ほどまでの士気の高揚は吹き飛び、固まったままノーリアクションの国民たち。

それを見てさらに申し訳なさそうな兼一王と蒼燐。

しばらくして重い空気の中ようやく復活したイドが言葉を発した。

イド「そ、そういえば今国庫の状態ってどうでしたっけ?」
蒼燐「現金、金塊その他もろもろ合わせて10億にゃんにゃん。
   これを全部使うと藩国は財政難で崩壊することになる。
   さらに悪いことに燃料は5万tしかない。」

薊「えーと、燃料ってどっかで補給できましたっけ」

  そろって首を横に振る一同。
  さらに重くなる場の空気。

兼一王「で、でもいい話もありますよ。
    燃料がない場合は代わりに資金出してもいいらしい。

    燃料1万tにつき2億にゃんにゃんかかるけど……」

シコウ「資金も足りてない状況なんですけど……」

イド「冒険の成果も猫がほとんどですからねぇ」

平「いい話ですか?それ……」
薊「全然解決になってない……」

兼一王「すぐに払えない弱小国は申し出れば支払い遅延も申請できますが…」

蒼燐「1日につき1億にゃんにゃんの利息がつきます」

うなだれる兼一王。
つられて他のみんなもうなだれる。

こんなときでもチームワークはいい。

それからしばらく、おこたの間は外から聞こえる動物たちの声だけが響いていた。


結局いつまでもそうしていても仕方がないというのと、
猫らしい昔を忘れて今を生きる習性によって立ち直った一同は

できることをやろうということで内職に精を出すことになる。


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その後のおこたの間


兼一王「ほかに資金稼げる方法はないかな?」

イド「提出用の文はこんなもんかな」

蒼燐「参考資料が必要なら言ってくださいね」

薊「戦争準備のネタください。」

シコウ「開発用の絵の資料もお願いします~。」

平「戦争の準備って、こんな感じでいいのかな?」



 藩国維持のため必死になって内職に励む国民たち。

この努力が報われるかどうかは、まだ、わからない……。




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